有事のドル買い(ゆうじのどるがい)
戦争・紛争などの有事において、為替市場の変動が予測されるとき、流動性の高いドルを買おうという動きのこと。
過去の例では、1990年に発生したクウェート侵攻や、2006年のレバノン侵攻がある。
【 有事のドル売り】
2001年に発生したアメリカ同時多発テロ事件では、米国が目標とされたこともあり、地政学的なリスクから 米国ドルは売られることとなった。
この時期を挟み、有事はアメリカの対テロ戦争に繋がっていることもあり、「有事のドル売り」という逆転現象が見られることとなった。過去の例では、2003年のアメリカのイラク空爆時や2007年から発生した世界同時金融危機が挙げられる。
【避難通貨と安全資産】
有事の際に替われる通貨は米ドル以外にもある。永世中立国であるスイスのフランや避難通貨とされている日本円である。
安全資産としては、金や銀など資産価値の高い商品が買われる傾向にある。有事の際には原油が使われることや、産油国である中東での発生が多いことから、原油が買われ価格が高騰する傾向にある。