公定歩合(こうていぶあい)
中央銀行が市中の金融機関に対して、直接資金を貸し出す際の基準金利のこと。
日本の場合、規制金利時代には、公定歩合と市中の預金金利などが直接的に連動していたこともあり、代表的な政策金利であったが、1994年の金利自由化以降は、直接的な連動性がなくなった。
現在では、政策金利の役割は無担保コール翌日物の誘導目標となっており、公定歩合は、短期金融市場の金利上限としての役割としての意味合いを担うこととなった。かつての政策金利としての役割がなくなったこともあり、日本銀行などでの表記も基準割引率および基準貸付利率と変更された。
米国では、依然としてdiscountrate(公定歩合)の表記が残っており、FRBによる金融機関への窓口貸出の基準金利としての役割がある。米国ではもともと銀行間の資金調達が中心であったが、サブプライム問題深刻化以降窓口貸出を利用した資金調達が一時的に増加していた。しかし、信用不安が落ち着いたことで、窓口貸出は減少している。