仲値(なかね)
【仲値はその日の基準レート】仲値(なかね)とは、銀行などの金融機関が午前9時55分のレートを元に銀行が午前10時に窓口に公示するレートのことで、TTSとTTBの平均値です。
刻一刻と動く為替レートを、取引のたびに銀行に問い合わせていては大変なので、どこかのタイミングでその日の取引レートを決めてしまおうということで仲値という制度ができました。
外国為替市場(インターバンク市場)の取引レートを基準にして金融機関ごとに決定されますが、三菱東京UFJ銀行のレートが主な基準をなっているようです。
仲値で決定された取引レートは、その後、余程大きな為替変動がない限り、その日一日の間適用されることになります。
仲値から「1円以上」の変動があった場合には、仲値は【公表停止】となり、改めて仲値の決定が行われます。
【仲値決済】仲値を元に、取引を行うこと。輸入業者の決済などに利用される。
【仲値不足】仲値決済が、顧客の外貨買い超となっており、銀行が市場から外貨を買う必要がある状態。
仲値決済は、輸入業者などが利用することが多いため、不足になることがほとんど。
…さらに詳しく…
日本の輸入企業では、取引先への支払いをドル建てで決済する場合が多く、決済日(5や10のつく日、いわゆるゴトー日)に円をドルに両替します。
そのためゴトー日になると、金融機関の保有するドルが不足することがあります。これを「仲値不足」と呼び、金融機関は仲値不足の解消のために、外国為替市場を通じてドルを購入します。
これによりドル通貨が買われ、USD/JPYなどは円安へ推移します。ドル円は歴史的に円高方向に推移していたために、リスクヘッジとして輸出企業が事前に金融機関に為替予約をします。
その為、金融機関は輸出企業へ受け渡すドルが保有残高では不足するため、市場でドルを調達しなければならなくなります。
こういったことが多いので、基本的に仲値前にはドルが不足することが多いようです。1990年代には、仲値を自分たちにとって有利なレートにするために、多くの市場参加者が投機的にドル円を売買していたようです。
ある日に仲値前に2円以上も乱高下したため、当局から注意されるという事態もあったそうです。
毎日は気にする必要はありませんが、ゴトー日や月末は仲値に注意した方が良さそうですね。
【仲値余剰】仲値決済が、顧客の外貨売り超となっており、銀行が市場に外貨を売る必要がある状態。仲値決済は、不足になることが多いが、一部輸出業者なども利用しており、余剰になることもたまにある。