売買代金とは

ひとこと解説
- 「売買代金」とは、株式市場で売買が成立した金額
- 市場全体について
→東証全体では、市場全体の取引が活況かどうか判断できる(2兆円が目安) - 個別銘柄について
→売買代金が大きい銘柄は市場からの注目度が高い
→出来高同様に売買代金が急増したときは注意が必要
詳しく解説
売買代金とは、株式市場で売買が成立した金額のことを言います。
この売買代金は東証全体の取引が活発に行われているかどうかの判断基準にもなり、取引が活発に行われているかどうかの基準は2兆円だと言われています。
ただし、この基準については季節要因などもあるため、あくまでも目安として覚えておいてください(お盆などで取引が少ない8月と、決算期などで取引が活発な3月とでは異なってきます)。
個別銘柄で見た場合、売買代金の大きい銘柄はそれだけ市場からの注目度が大きいことの裏付けとなります。
一般的には東証1部の銘柄が売買代金の上位の常連となっています。
コード | 銘柄 |
---|---|
9984 | ソフトバンク |
8411 | みずほフィナンシャルグループ |
7203 | トヨタ自動車 |
8306 | 三菱UFJフィナンシャルグループ |
9983 | ファーストリテイリング |
9432 | NTT |
6501 | 日立製作所 |
6753 | シャープ |
8515 | アイフル |
6758 | ソニー |
ただし、市場での注目度が突如高まると売買代金が沸騰することがあります。
2014年の例では、ミクシィ(2121)のように市場での期待値が高まった場合、それを材料に買いが急騰しました。
ちなみに、材料は「モンスターストライク」というスマホアプリが爆発的にヒットして、業績の低迷していたミクシィの業績拡大を期待した投資家の買いが集まったためと言われています。

このようにいくつか市場の期待などによって、売買代金の上位に食い込むケースもあります。以下、いくつか事例をご紹介します。
コード | 銘柄 | 市場 | 時期 | 急騰した理由 |
---|---|---|---|---|
3765 | ガンホー・オンライン・エンターテイメント | ジャスダック | 2013年4月 | 「パズドラ」の大ヒット |
3791 | IGポート | ジャスダック | 2013年6月 | 「進撃の巨人」のヒット |
2121 | ミクシィ | マザーズ | 2013年12月 | 「モンスターストライク」のヒット |
9204 | スカイマーク | 1部 | 2013年11月 | 東証ジャスダックから東証1部への市場変更を東証が承認(ただし、そのわずか半年で経営悪化) |
4755 | 楽天 | 1部 | 2013年12月 | 東証ジャスダックから東証1部への市場変更を東証が承認 |
3668 | コロプラ | 1部 | 2014年4月 | 「魔法使いと黒猫のウィズ」の大ヒットが想定以上で上場後たった1年でマザーズから東証1部への市場変更を東証が承認 |
8585 | オリエントコーポレーション | 1部 | 2014年4月 | 貸金業法の法定金利を29.2%に戻す法案を提出するという思惑買い |
オリエントコーポレーション(8585)を例に説明していきます。オリコはオートローンなどを主な収益源としているノンバンクですが、2010年にいわゆる「グレーゾーン金利」について、最高裁判所が違憲判決を出したことで、それまで事実上認められていた出資法の29.2%の上限金利の部分について債務者に返還をすることとなったことから業績が悪化していました。
ただし、2014年4月に自民党の一部の有識者がこの判決によって無効になった29.2%について、再度法案を提出して上限金利を約29%に戻そうという動きが報道されたことで、業績回復期待から売買代金が突如上昇したのです。

このように売買代金は基本的には会社の人気度を示していますが、突如何かの拍子に上昇することがあります。
売買代金が突如上昇する銘柄の多くは株価も同時に上昇するケースが多いのでニュースなどに注意してみてください。ライフスタイルに合わせた優待銘柄に投資した場合、運用益とは別の楽しみが得られます。