IPOはなぜ当たらない?IPO当選確率を上げるコツをご紹介

IPO投資は高い確率で利益をあげることができるため、高い人気を集めています。
しかし、IPOの抽選は倍率が高く、実際に当選することは非常に難しいです。
「IPO銘柄に投資したくても抽選に当たらない」と悩んでいる方も多いかもしれません。
そこで、今回はIPOの当選確率をあげるコツを紹介していきます。
本記事を参考にして、次回からのIPOの申込に役立ててください。
▶IPOについて詳しくは「IPO(新規株式公開)とは?仕組みやメリット・デメリットを解説」をチェック!
目次
IPO投資で当選を狙うために知っておきたいこと
まず最初に、IPOの当選確率をあげるために知っておくべきポイントを紹介していきます。
「幹事証券会社」と「委託販売団」の違い
IPOの販売を行う証券会社の中には、幹事証券会社と委託販売団があります。
幹事証券会社とは企業のIPOをサポートをする証券会社で、複数の証券会社が共同で株式の売り出しなどを行います。なかでも、中核的な役割を果たす証券会社を主幹事証券会社といいます。IPOの際は主幹事証券会社を中心に、各幹事証券会社が株式を引き受け売り出します。
一方で、委託販売団とは幹事証券会社が扱う株式が売り切れない場合などに、委託販売を請け負う証券会社のことをいいます。そのため、委託販売をしている証券会社でIPOを申し込んでも、売り出せる株式が回ってこない限り、当選することはないといえます。
そのため、どこが幹事証券会社になっているかを確認することが重要だといえます。また、それぞれの幹事証券会社の引受割合を確認し、多くの株式を引き受けている証券会社で申込を行うのが良いでしょう。
抽選は完全抽選ではない
IPOで販売される株式のうち全てが抽選で配分されるとは限りません。IPOで販売される株式のうち抽選に付する割合は原則10%以上とされています。
証券会社によって抽選の割合は異なっていて、ネット証券の中には100%平等に抽選するところもありますが、店舗を持っている総合証券の中には10%程度にとどまるところもあります。
株式を多く引き受けている証券会社に申し込んでも、抽選に回る割合が少なければ、当選確率が高くなるとはいえません。
そのため、株式の引受割合と同時に、それぞれの証券会社の抽選の割合も確認しておくことが重要だといえます。
IPOは公平性が重視される
IPO株の配分は公平性が重視されます。つまり、できるだけ平等に株式が配分されるような仕組みがとられているということです。
そのため、連続して何回も抽選に当たるということはあまり現実的ではありません。
そのような観点からも、IPO銘柄ならなんでも申し込めば良いと考えるのではなく、自身が投資をしたいと思う企業を見極めて投資をすることが重要になります。
IPO投資のコツ
IPOの当選確率をあげるためのコツは幹事証券会社を確認し、申込を行うということです。
なぜなら、委託販売をしている証券会社から申込をしても当選確率が高くなる期待はできないからです。また、公平性が重視されるIPOの抽選では、家族口座など複数の口座から申込をしても名寄せした(重複した申込は除かれた)うえで抽選されるため、当選確率は上がりません。
幹事証券会社は日本取引所グループのホームページから確認することができます。
日本取引所グループの新規上場会社情報(https://www.jpx.co.jp/listing/stocks/new/index.html)より、各企業の「会社概要」から幹事証券会社を確認することができます。
例えば、2021年7月に上場した「コラントッテ」という会社では、以下のような証券会社が幹事証券会社となっています。

IPOに当選するにはこの幹事証券会社から申し込むことが重要になります。
特に主幹事証券会社は引受割合が大きいため、当選確率を上げるためには主幹事証券会社での申込が必要だといえます。

例をあげると、2019年3月15日に上場したカオナビという企業。
公募株式数が870,000株とIPO銘柄の中では割と人気な企業といえます。
この企業の主幹事は「大和証券」で割当株式数は757,000株式と公募株式数の87%をこの主幹事が占めています。残りの「みずほ証券」73,800株、「マネックス証券」14,000株、「東海東京証券」14,000株、「SBI証券」7,800株、「エース証券」3,400株となっています。
抽選を受けるには上記の証券会社の口座から申込むことになりますが、当選確率を上げるには、まず主幹事である大和証券への申込が必要だということが分かると思います。
また、主幹事証券会社だけでなく、その他の幹事証券会社でも申込をすることで当選確率を上げることができます。
IPO銘柄ごとに主幹事、幹事を務める証券会社は異なります。 どの証券会社が主幹事になっても申し込みをできるように複数の証券会社に口座を持っておくとよいでしょう。
みんかぶでは、IPOにおすすめの証券会社をランキング形式で比較していますので、是非IPOにおすすめなネット証券ランキングを参考にしてください。
公募株数の多さとリスク
公募株数なども銘柄ごとにおおきく異なります。
大量の株式を募集売り出しする場合には当選しやすく、その代わり上場時の初値が公募時の株価を割ってしまう「初値割れ」という事態になることもあります。
応募する銘柄をしっかりと見極める必要があります。
まとめ
今回はIPO投資を行う上で知っておきたいことから、当選確率を上げるためのコツを紹介してきました。
値上がりする確率が高いため、個人投資家から人気を集めているIPO投資ですが、本記事で紹介したようなIPOの実態を知っている方は少ないかもしれません。
本記事の内容を参考にして、次回からのIPOの申込に役立ててください。
