IPOに落選してもチャンスはある!IPOセカンダリー投資とは

高確率で高い利益が期待できると個人投資家から人気のIPO投資ですが、IPOの抽選に当選するのは至難の業です。
しかし、IPOに落選しても利益を狙える方法があります。それが、IPOセカンダリー投資です。IPOセカンダリー投資とは、IPO銘柄が上場した後に、市場で売買することで利益を狙う方法です。
本記事ではIPOセカンダリー投資について解説していきます。
IPO銘柄を中心に利益を狙おうと考えている方は是非参考にしてみてください。
▶IPOについて詳しくは「IPO(新規株式公開)とは?仕組みやメリット・デメリットを解説」
目次
IPOセカンダリー投資とは
IPOセカンダリー投資とは、IPO銘柄を初値(市場で最初につく株価)で買い、株価が上昇したタイミングで売るということです。
IPO銘柄は高い確率で初値が公募価格を上回りますが、銘柄によっては上場後、初値からさらに値を上げる銘柄もあります。
上場後の更なる値上がりを狙って、初値で株を買い、値上がりしたところで売ることができれば、利益を出すことができます。
例えば、2020年12月に上場した「ココペリ」という会社は公募価格が1,600円で3,610円の初値が付きました。IPOに当選していれば、その時点で高い利益が期待できます。

しかし、上場後も株価は上昇し、8,000円付近まで上がりました。IPOに当選していなくても、初値で株を買って、値上がりしたところで売却していれば大きな利益を得られたことになります。
これがIPOセカンダリー投資です。ただし、これにはIPO投資とは違ったメリット・デメリットがあります。次に、そのメリット・デメリットについて詳しく見ていきましょう。
メリット
IPOの抽選結果に関わらずチャレンジできる
IPO投資では高倍率のIPO抽選に当選しない限り、投資するチャンスすらありません。
一方で、IPOセカンダリー投資では、市場で株を売買するため、誰にでもチャンスがあります。
当選の難しいIPO投資と比べて、IPOセカンダリー投資の方が、投資ができるチャンスは多くなります。なかなかIPOに当選しないという方はIPOセカンダリー投資を検討してみても良いかもしれません。
高いリターンが期待できる
IPO直後は、株価が大きく動くことがあります。そのため、初値で買ったIPO株がうまく上昇していけば短期間で高いリターンが期待できます。
中には上場直後は人気がなくても、3,4年かけて大きく値上がりする銘柄もあります。そのため、IPO株は上場後も定期的に株価の推移を確認しておくと良いでしょう。
デメリット
株価が上昇するかどうかの見極めが難しい
これまで、上場後に株価が上昇した例をあげてきましたが、もちろん株価が下落する銘柄もあります。
IPOで人気の銘柄だったからといって、必ずしも上場後も株価が上昇していくとは限りません。
そのため、投資する銘柄を選ぶ際には、株価が上昇するかどうかを見極めるスキルが求められます。これについては後ほど、IPOセカンダリー投資の注意点や、株価上昇を見込める株の特徴について解説していきます。
IPO投資よりもリスクが高い
IPOセカンダリー投資はIPO投資と比べてリスクが高い傾向にあります。
なぜなら、IPO投資では割安な公募価格で株を買うことができますが、IPOセカンダリー投資で株を買う初値が割安な価格かどうかが分からないからです。
人気が殺到して公募価格の何倍もの初値をつける銘柄もあります。そのような銘柄を初値で買ったとしても、その価格が割高だと判断されて株が売られ始めると株価は下落していきます。
また、IPO直後は株価が大きく動くことがあるといいましたが、それは下落するときも同じです。そのため、IPOセカンダリー投資はIPO投資よりも投資チャンスが多い反面、リスクが高いということを覚えておきましょう。
IPOセカンダリー投資で株を見極めるポイント
IPOセカンダリー投資では、株価が上昇するかどうかの見極めが非常に重要になります。
以下では、投資する銘柄を選ぶ際に注意するポイントについて解説していきます。
高すぎる初値には注意しよう
IPO株は高い確率で初値が公募価格よりも高くなります。しかし、初値が高すぎる場合は注意が必要です。
なぜなら初値が高すぎるとその分、売り圧力も強くなり、株価が下落しやすいからです。
以下のチャートは2020年10月に上場した「アースインフィニティ」という会社の株価チャートです。

この会社は公募価格1,970円に対して、10,410円の初値を付けました。上昇率にすると約428%です。
しかし、チャートを見てみると上場後の株価が急落していることが分かります。これは高すぎる初値に対して、売り圧力が強まり、株価が下落したものと考えられます。
このような銘柄を初値で買ってしまうと、大きな損失を出してしまう可能性があります。そのため、公募価格に対して高すぎる初値をつけている銘柄はIPOセカンダリー投資には向いていないといえるでしょう。
売り出される株の総額を確認しよう
IPOの規模を表すものとして、吸収金額というものがあります。
吸収金額とはIPOを通じて企業が市場から獲得した資金の総額のことをいい、IPOで売り出される株式数と公募価格をかけ合わせて算出することができます。
この金額が大きいと、売り出される株式数が多いということになり、株式の希少価値が下がってしまいます。すると株を買いたいという投資家よりも売りたいという投資家の方が多くなり、株価が下落する可能性が高まります。
IPOセカンダリー投資ではIPOの規模を表す吸収金額が小さい銘柄の方が向いているといえます。
ロックアップを意識しよう
ロックアップとは会社が上場するときに、創業者やベンチャーキャピタルが持っている株を一定期間又は一定の水準に達するまで売れないように制限をかけることを言います。
ロックアップの目的は上場後に著しく株価が下がらないようにするためです。
しかし、このロックアップがかかっていない場合、既存の株主は自由に株を売ることができます。そのため、既存の株主による売り圧力が大きくなり、株価が下落してしまう可能性があります。
ロックアップがかかっていても、株価が公募価格の1.5倍に達すると解除されるケースも多く、ひとたび解除されてしまうと売り圧力が強くなり、株価が下落し始めることもあります。
IPOセカンダリー投資では売りたい人と買いたい人がどれだけいるのかということを常に意識するようにしましょう。
まとめ
今回はIPOセカンダリー投資について解説してきました。
IPO投資は抽選に当選するのが難しく、なかなか投資のチャンスが回ってきません。
そんな時は、IPOセカンダリー投資を考えてみても良いですね。
ただし、IPO投資よりも投資チャンスが多い分、リスクが高いということは忘れないようにしましょう。本記事で紹介した銘柄を見極めるポイントも参考にしてみてください。
