テンバガー銘柄とは?見分けるための3つの特徴

ひとこと解説
- テンバガー株は業績の上方修正を連発させることが多い
- 株価が右肩上がりに上昇し続ける
- テンバガー株にはテーマ性がある
テンバガー(株価10倍)とは?どんな特徴がある?
株式投資家が求めてやまないものの一つに、「テンバガー(10倍株)」銘柄があります。
テンバガー(ten-bagger)とは、「10塁打」を意味する野球の用語で、転じてそのような勢いで株価が10倍になった銘柄を指します。
もとはピーター・リンチ氏が著作 One Up on Wall Street (邦題:『ピーター・リンチの株で勝つ』)の中で使用したのが始まりで、今では投資家のあこがれとして広く認知されるようになりました。
このテンバガー銘柄ですが、実は見分けるための特徴が3つあります。
このページではその3つの特徴を解説していきます。
目次
テンバガー銘柄の3つの特徴とは?
多くのテンバガー銘柄には、共通する3つの特徴があります。
この特徴を抑えれば、今後テンバガーになる可能性を持った銘柄を、自信をもって見分けることが可能になるでしょう。
1.業績上ぶれ(上方修正)を連発させる
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1つ目の特徴は、「『業績の上方修正』を連発させること」です。
企業の株価動向を読む上でもっとも重要なのが、業績判定です。
やはり、業績が良い企業や今後も順調に業績が伸びると思われる企業の株は買われやすいため、株価が上昇しやすくなります。
この業績判定で、初心者の方に参考にして欲しい指標は「業績の上方修正」です。
企業は売上高・利益の予想をあらかじめ発表していますが、実際の業績進捗率を反映して、この予想を上下に修正するということがよくあります。
この修正が上方修正であれば、多くの場合でその企業の株が買われ、株価が上昇します。
加えて、上方修正が連発すると、「これからももっと業績が上振れするのではないか?」という投資家心理がはたらき、さらに株価が上昇しやすくなります。

この業績の修正(上方修正)は、テンバガーを探す一つの指針になります。
そして、業績の修正は業績進捗率を反映して行われます。
つまり、業績予測に対して速いペースで業績が伸びていれば、上方修正をする可能性が高いということです。
そのため、業績進捗率に注目することで、上方修正をする可能性が高い銘柄を選び出すことができます。
そのような銘柄は、株探の「銘柄探検」機能で探すことができます。業績進捗率をランキング形式で紹介していますので、是非参考にしてみてください。
2.上昇基調のチャート ブレイクアウト
二つ目の特徴は、「株価チャートが上昇基調であり、ブレイクアウトがよく発生していること」です。
上昇基調のチャートがどのようなものなのか、まずは実際にテンバガーを達成した株式のチャートを見てみましょう。こうした銘柄は一般的には右肩上がりのグラフになっており、波を作りながら上昇していきます。

上記の株価チャートはレーザーテック(6920)の5年間のチャートです。テンバガー銘柄に限らず、優良銘柄の多くは株価が右肩上がりになっています。
また、特に上昇している時には、株価が横ばいの動きとなった後に急に上昇という動きが見られます。
横ばいの値動きから、横ばいの目安となるラインを突き抜けて大きく株価が上下する動きをブレイクアウトと呼びます。

レーザーテック6か月チャート(みんかぶより引用)
ブレイクアウトは個人投資家を始め、多くの投資家の資金を引き寄せるきっかけとなることがあります。
そのため、上方向へのブレイクアウトがよく発生している銘柄は、テンバガー銘柄になる可能性が高くなると言えます。
このように、企業の財務状況や業績状況といった要因(ファンダメンタルズ要因)だけでなく、株価チャートのトレンドやパターンといった要因(テクニカル要因)も、テンバガー銘柄を見分ける特徴になります。
さらに、ブレイクアウトに1つ目の条件の上方修正が伴っている場合はなお良いと考えられるので、注目してみてください。
3.テーマ性がある(テーマ株)

三つ目の特徴は、「テーマ性があること」です。
二つ目の特徴で紹介したレーザーテックは、代表的な半導体関連銘柄として、世界的な半導体不足の中で株価を伸ばしました。
このように、銘柄には○○関連というテーマが付く場合があり、テーマ株とも呼ばれます。
テーマ株は、個人投資家をはじめデイトレーダーや機関投資家など多くの投資家からの資金が流入します。そのため、取引量が多くなり、テーマ性のない銘柄よりも注目されやすくなるのです。
テンバガー銘柄を見つける際には、このテーマ性があるかどうかにも注目する必要があります。
なお、バイオテクノロジー関連の銘柄などもテーマになりやすいのですが、このような銘柄は赤字になることが多いため、一つ目の特徴である「業績の上方修正を連発」は起こりづらい傾向にあります。
業績が赤字になりやすいバイオのようなテーマ株よりも、企業活動がしっかりと売上に直結しているテーマ株が良いでしょう。
株価が10倍になる銘柄の3つの特徴 まとめ
- 業績の上方修正
- 上昇基調の株価チャートとブレイクアウト
- テーマ性
もちろん銘柄によって上記以外の要因が株価を押し上げることもありますが、概ね上記の三つはテンバガー銘柄にはよく見られる特徴です
数年前に話題になったスマホゲーム企業のミクシィなどもこの3つの特徴がピタッと当てはまります。まずはこの3つを押さえておくことで、これからテンバガーを発掘する際の指針となるはずです。
二倍、三倍からでも遅くはないことも
テンバガー銘柄に共通していることは、10倍になる前にまずは2倍、3倍というように段階を経るということです。一気に10倍になるということはなかなかありません。
すでにご紹介したレーザーテックも2019年10月に株価3倍を達成していました。その時の株価チャートをみると確かに「高すぎて手が出ないな〜」というチャートにはなっていますが、そのタイミングで投資をしても、まったく遅くはないと後で振り返ってみるとわかります。
テンバガー狙いの投資であれば、2倍株、3倍株あたりの上値余地を狙ってみても良いかもしれません。